ブリジットジョーンズの日記の主題歌となった、Everlasting Loveがボーナスとして収録されている比較的有名なアルバムながら、この曲自体の軽いポップス的なノリが好きになれず(ある意味商業的)、これまで敬遠していた。
しかしながら、(最後に追加されたEverlasting Loveを含むボーナス曲を除き)、最後まで通して聴いてみると、どうだろう。若いにもかかわらず、落ち着いていて、ややしゃがれた独特の生々しい歌声が心に訴えかけ聞く耳を離さないのだ。演奏もハイレベルで録音も温かみのあるアナログ的な和みがあり、構成力や絶妙なアレンジが洒落っ気たっぷりで、何度聴いても飽きさせないのだ。エンタテイメント性溢れる演出と、しっとりと聴かせて心に訴える曲が見事に配置され、最初から最後までお腹一杯で大満足となること間違いなしの、今や愛聴盤の一枚となっている。
What a difference a day madeや、But For Nowといったスタンダード曲を、王道的な手法ながら自らの表現で正々堂々と歌うのは勿論のこと、Siging in the rainやOld Devil Moonを、全く異なるアプローチで聴かせて魅せる。
その他にも、Jimi Hendrix(Wind cries Mary)、Jeff Backly(Lover, You should have come back to me)のカバーをしているところが、新世代らしい(ボーナストラックでもライブバージョンでRadio HeadのHigh and Dryを演奏)。ジミヘン好きの当方にとってはたまらない選曲という「個人的なえこひいき」を差し引いても、彼の声と歌には見事な説得力とエンタテイメント性、そして聴衆を惹きつける力があると思う。妻と喧嘩しても、これを聴いたら二人とも音楽に気を取られ、二人ともハッピーになって仲直りしている、ということが何回かあった。
そして何よりも、彼のオリジナル曲が素晴らしい。一番お気に入りなのが、Next Year Babyという曲。ポップス系の音楽でさり気無く、Everlasting Loveに通じる部類で、普段ならあっさりと聞き過ごしてしまいがちなのだが、よく聴くとこの歌の詩がなんと素晴らしいこと。ざっくり訳すとこんな感じかと思う。
来年
来年こそは、
ビールの量を控えて
もう一回最初からやり直すんだ
本を沢山読んで
時事に詳しくなり
料理を身につけて
靴に散財しない
支払い期限を守って
郵便物を毎日処理して
絶品のワインだけ飲んで
毎週末は祖母に電話する
決心
それは儚く消え去ってしまうもの
僕は本当に行動に移すだろうか
多分答えはノーだろう
でも、一つだ実行に移すことがあるとするなら、
凄く勇気がいるけれど、僕がこんなことを考えていた間に
感じたことを君に伝えることだろう
というような意味の歌詞。
心の弱さを彼女に吐露することが、一つの愛情表現になっているということかと思う。
このアルバム、ジャズCDが少ない北京でも売っているんだけれど、先日、とある高級バーに行った時に偶然流れてきて、改めて名曲だと思った。そして、年末ということもあって、ふとこの曲について書きたくなった。
あっという間に年末ですね。
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