2011年2月1日火曜日

1月に聞く音楽

新年の初めに何を聞くか、これは結構大きな問題だ。

初ものずくしの正月に心機一転の心持でオーディオを立ち上げて奏でる曲には、こだわりたい。そう、正月らしく背筋を伸ばして新年の心も新たに、書き初めのような心境でピュアな音楽としっかりと対峙したくなる。

そんな時に聞く一枚がこれだ。


40分ほどのソロピアノメドレー曲集なのだが、のっけから、ペトルチアーニは、物凄い集中力と緊迫感で迫ってくる。冒頭の曲は、Herbie HancockのMaiden Voyageという渋い選曲で、演奏には緊張感ある息遣いが伝わってきて、年初に新たな船出をするという気分にさせてくれる。その後は、スタンダードとオリジナル曲へと次から次へと展開していって、最後は、Take the A Trainという誰もが知る楽しいDuke Elingtonの曲で盛り上がって終わるというドラマティックな展開は、正月番組で琴の演奏を聴いて背筋を伸ばした後に、酒宴が徐々に盛り上がって宴もたけなわに正月特有の大衆大道芸を見て盛り上がるという正月特有のお約束のようだ。

クライマックスは、オリジナル曲のRachid(恐らく息子に捧げた歌)の優しく切ないメロディーだろうか。冒頭では緊張感に溢れた張り詰めるような雰囲気で始まったと思いきや、徐々にウォームアップしていき、この曲で完全にペースを切り替えて、クライマックスを迎え、リラックスして抱擁力のある優しさに溢れる音をつむぎ出し、徐々に明るい部分が大半を占めるようになって、最後は電車のガタゴト音をお得意の16部音符で弾きまくって聴衆と一体となってノリノリの状態で終焉に向かっていくという、演奏だけではなく、聴衆の期待にしっかりと応えるという恐ろしいエンターテイナーぶりを見せる。

演奏も楽曲も展開も素晴らしいのだが、この曲は、集中力を要求される割に演奏時間が長いので、時間がある時でないと味わえないので、比較的時間のあるお正月向きと言えるのだ。

お正月に味わう新たな心持とお祭り騒ぎをじわじわと感じさせてくれる一枚。
これは、今は亡き数あるペトルチアーニのソロアルバムの中で最高のアルバムだ。

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